小学校の教員を務めていた青田さんが、かつて地方の古い小学校で高学年のクラスの担任をしていたころの事。 ある時期、学校中の生徒が「影踏み鬼」という遊びに夢中になったことがあったそうだ。夢中という言葉ではもはや説明できないくらい、休み時間や放課後になると全員が校庭に駆けだしていく。ある日の夕暮れ時、職員会議を終え、クラスに置いたままの荷物を取りに教室に向かう途中、西日の差しこむ木製の廊下でふと気づいて足を止める。三階の廊下の窓から下を見下ろすと中庭で影踏み鬼に興じる生徒の姿。ところが次の瞬間、違和感を覚えて振り返った対面にある壁を見た青田さんは慄然として息を飲んだ。
このお話はApple Musicでも聴く事が出来ます!