「霊道」(26分) 書いて字のごとく、霊の通り道のことを霊道ということがある。普段見えるものではないが、思う以上にあちこちに存在するようで、壁があろうと塀があろうとお構いなしだ。霊感のあるやなしやを問わず波長や、ちょっとしたきっかけでこの霊道を実感したり、場合によっては人ならざる存在を目の当たりにするケースがある。友美さんもその一人である。もともと怪談やホラーが好きだった友美さんが中学校二年生の時、土曜日でいつもより早く帰宅したその日、午後から5LDKの公団住宅でひとりで留守番をしていると急に大きな地震があって、直後部屋のドアが嘘のように透けたかと思うと、向うの廊下に見たことのない人が現れた