ぽんすけさんという女性は小学校入学したての頃の出来事を今も忘れない。当時通い始めた小学校は古い木造二階建てで横長の校舎。休み時間には校舎の端にある男女共用の大きなトイレに行き、優しくて話好きの用務員のおじさんに会いに行っていた。いつ行っても上下そろいの作業服で帽子を目深にかぶったそのおじさんは待っていて、子供たちの人気者。空中から飴を取り出すような仕草をして見せてみんなに配ってくれた。ところが三年生に進級する春休みに旧校舎が取り壊され、新校舎が出来ると、おじさんもいなくなってしまった。
ぽんすけさんという女性は小学校入学したての頃の出来事を今も忘れない。当時通い始めた小学校は古い木造二階建てで横長の校舎。休み時間には校舎の端にある男女共用の大きなトイレに行き、優しくて話好きの用務員のおじさんに会いに行っていた。いつ行っても上下そろいの作業服で帽子を目深にかぶったそのおじさんは待っていて、子供たちの人気者。空中から飴を取り出すような仕草をして見せてみんなに配ってくれた。ところが三年生に進級する春休みに旧校舎が取り壊され、新校舎が出来ると、おじさんもいなくなってしまった。