阪本さんは知り合いの霊能者の先生から、西多摩の土地の検証に付き合ってほしいと連絡を受けてその年の夏に現場を訪れた。霊能者の先生とお札を書ける先生、阪本さんと、霊感のない阪本さんの友人の4人だった。聞けばある財団からの依頼で、その土地の相続人から早く土地を売って住宅地として開発してほしいとせっつかれているのだが、工事に着工しようとすると関係者に体調を崩すものが続出したり、事故が頻発し、ついには死人まで出てしまったので、霊的なものの仕業じゃないかという。もしそうなら除霊してほしいというのだ。かくして目の当たりにしたのは夏だというのにどこまでも枯草の生い茂った広大な荒れ野であった