小樽出身の体験者の男性は小さい頃から海には慣れ親しんでいたはずだが、20代の頃に体験したあることをきっかけに苦手になってしまった。社会人になってまだ年の浅いその年の夏、学生時代の仲間と男ばかり3人集まって小樽方面の海にへキャンプに行くことにした。仲間の一人の大型車にテントや食材、飲み物を積むと夜出発し小一時間ほどで現場に着いた。海水浴場兼キャンプ場の駐車場に車を止めると、浜辺には人っ子一人いない。8月の天気のいい週末、キャンプ日和だというのに彼ら以外誰もいなかったことがそもそも不思議に思えたそうだ。そうしてその不思議は、ほどなく恐怖に変わることになった。