今から40年以上も前。体験者である山岡さんのお母さんが高校生の時、当時住まいしていた木造一部二階建ての家の2階が彼女の寝室だった。その日も夕食後、家族の団らんを終え愛犬のエルを連れて2階に上がった。寝るときは必ずエルが一緒だ。ところが寝入ってしばらく深夜の事、普段おとなしいエルが猛然と吠え出したのである。驚いて起き上がると、枕元の箪笥の上を睨んで狂ったように吠えている。そこには数多のぬいぐるみが置いてあり、中央にある小さな日本人形が気になった。白い顔が、暗く見えたのだ。おそるおそる近づいてみると、怒りの形相で顔には深くしわが刻まれていた