ちあきさんの亡くなったお爺ちゃんは大工だった。そのお爺ちゃんが生前言っていたことの一つに、新居や改築された場所には必ず一日置いてからでなければ住んではいけないという決まりがあった。残念ながらなぜかという理由を聞くこと叶わず他界してしまったのだが、迷信のようなこの教えを確かに守った方が良かったのだと思い知らされるような事が起きたのである。中学生のころ妹と共用の子供部屋を改築したのだ。ちあきさんも妹も新しくなった部屋が嬉しくて、お爺ちゃんの話は覚えていながら、完成したその日のうちにその部屋を利用し始めた。まさか恐ろしいモノが待ち受けていたとも知らずに。