城谷の体験。怪談師になってから周囲で奇妙な出来事が頻発するようになったのはもう8、9年ほど前から。ある晩のこと、横で寝ている妻が突如笑い出した。思い出し笑いでもしているのかと思いきや表情はむしろ苦しそうで、声をかけても一向に返事がない。ようやく落ち着いたかと思うと突進するように今度はこちらの布団に潜り込んできて暴れ出した。必死に起こすと当人は泣きながら「金縛りにあい気味の悪い女が枕元に座り込んで…」と。直後城谷も同じ女に覗かれたのだが、それから今日に至るまでずっと憑いてきていたのではないかという未知の存在を目の当たりにする。