あっつんは小学校5年生の修学旅行を忘れない。 楽しかったからではない、恐ろしい記憶として忘れられなくなってしまっているのだ。行先は軽井沢だった。修学旅行生ばかりを受け入れる、その旅館の一階の奥にある「白百合の部屋」というのが問題だった。先に泊まりに行った他校の生徒の間でもあの部屋には「出る」と噂は広がっていたのだった。幸いあっつんの部屋は二階で、自身は難を逃れたが、当時片思いしていたヤエちゃんが奇しくもその白百合の部屋にわりあたってしまう。初日の晩、件の部屋から絶叫が響いた。一体何が起こったというのか。
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