演目の”勘助島の由来<お直の持参金>”は、頃は亨保年間のお話。木津(大阪)に住む勘助は父親が大藩の重役だったにもかかわらず、堅苦しい侍を嫌って”フリーター”を選んだという変わり種である。しかしその人柄の良さが隣人達の尊敬を集めていた。ある日、勘助は墓参りの折りに大金を拾い、落とし主の屋敷に届ける。ここでその富豪の娘お直が勘助に一目ぼれし二人は夫婦に。しかし収入の安定しない生活は厳しく、借金もかさみ勘助は窮地に陥る。妻のお直はその時父がこっそりと託した持参金を差し出す。勘助は借金を返すと残りのお金で、町の人のために淀川に堤防を築くというお話。