この「心の故郷 日本の民謡シリーズ」は故藤尾隆造氏が監修したもので、当初カセットテープで発売されたものをデジタル化したものです。藤尾氏は「民謡は民族生活の潜在意識によりにじみ出た生活そのものの声である。すなわち、1.詩と音楽の自由形である。2. 時代性と民族性に根ざした郷土性。3. 表現法に特定の規律、制約がない。4.旋律と言葉が不離一体である。5. 作者と歌い手が直ちに同化しやい。」・・・等々。本作品に収められている曲のひとつを藤尾隆造氏の解説で紹介します。
常盤炭坑節:常磐炭鉱は安政二年白水川で炭鉱塊を発見したことにより始ると云う。当時は石炭を馬に積み小名浜まで運び出したが、機械化となり規模も大きくなり盛期には炭坑夫が数百人も働いていた。この唄は明治の初めの頃、出稼ぎに来ていた近隣の村人が、地元で唄っていた草刈り唄を転用して唄い出したものである。仕事をしながらとも思えるのだが、実はもっぱら夕食や酒の宴で唄われていたので坑夫の作業唄ではない。エネルギー革命により閉山となり今では唄だけがかつての炭鉱の繁栄ぶりを偲ばせてくれる。炭坑夫気質を唄いあげた唄で盆踊りにもぴったりなのが嬉しい。
収録曲
1. 野沢甚句
2. 奥州松坂
3. 安積田植唄
4. 安積長持唄
5. 大越餅搗唄
6. 白河馬喰節
7. 山舟生紙漉き唄
8. 野沢草刈踊り唄
9. 飯坂小唄
10. いわき地固め唄
11. 常盤炭坑節
12. いわきめでた
13. いわき甚句
14. いわき矢送り唄
15. いわき盆唄
16. いわき左官節
17. いわき大漁節
18. いわき馬方節
19. 相馬胴突唄
20. 新相馬節
21. 相馬田植唄
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