この「心の故郷 日本の民謡シリーズ」は故藤尾隆造氏が監修したもので、藤尾氏によれば「民謡は民族生活の潜在意識によりにじみ出た生活そのものの声である」とされています。そこには聞き手、歌い手の仕切りがなく、庶民的交流があります。ここに収録されたものを藤尾隆造氏の解説で紹介します。
田助ハイヤ節: 平戸島の田助町に伝わる田助ハイヤ節は海上航路を介して日本海沿岸地域や東シナ海沿岸地域の同系統の民謡に大きな影響を与えたと考えられています。さらに、江戸時代以来同じ節回しで今日まで受け継がれており、これらの点において高い価値を有しています。田助には、帆船の水先案内人がいたといい、潮待ち風待ちの港として賑わったそうです。この田助港では帆船の船乗り相手の芸妓や遊女がいたといい、平戸女郎たちによって「ハイヤ節」が歌われてきました。「ハイヤ可愛いや…」で唄い出される「ハイヤ節」は、各地に大同小異の曲が伝わっていますが、九州の歌らしく元気のある歌です。田助の唄はリズム感がやや穏やかな感じです。
このアルバムの収録曲は以下の通りです。
1. 長崎甚句
2. 壱州盆唄
3. 壱州胴突唄
4. 田助ハイヤ節
5. 女よい節
6. 島原甚句
7. 島原ハイヤ節
8. 島原ヤッハンエー
9. 島原土搗唄
10. 島原の子守唄
11. ちょろべー節
12. 波佐見節
このアルバムはApple Musicでも聴くことができます。
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