民謡とは日本各地の生活や風俗の中で誰うたうともなく唄い出し、口から口へ伝承され、時の移ろいと共に洗練され自然に広まった経路があります。その背景には郷土生活での作業、労働に拍子をつけ、楽しさ、美しさを高め、心を動かす自然の曲律があります。いわば郷土に生まれた日本人の心の故郷がここにあると言えます。この貴重な文化を残すべく故藤尾隆造氏が全国を巡り監修したのが本シリーズ「心の故郷 日本の民謡」です。本作品に収められている幾つかを藤尾氏の解説で紹介します。
かくま刈り唄:「かくま」とは食用にならないゼンマイのこと。成長すると大きく枝をはり邪魔になるので下刈りをする。これをかくま刈りという。山形へぬける峠越えの道の下草刈りに唄われていた。
あがらしゃれ:最上郡真室川町の唄で、客に酒をすすめる唄である。「あがらっしゃれ」とはさあさ召し上がってくださいとの意味。方言入りでいかにも民謡らしく面白い唄である。
酒田甚句:この唄は幕末から明治維新にかけて酒田港の繁栄とともに酒の座敷の騒ぎ唄として盛んに唄われた。もとは江戸の流行り唄、そんじゃおまへんか節が伝えられて定着したといわれている。
収録曲
1. 真室川音頭
2. 最上土搗唄
3. 最上川舟歌
4. 米沢おばこ
5. 山形飴売唄
6. かくま刈り唄
7. 庄内田の草取り唄
8. 庄内のよされ節
9. 木場の木流し唄
10. 茶もみ唄
11. 長井盆踊り唄
12. 村山土搗唄
13. 左沢木挽唄
14. 酒田甚句
15. 山形松坂
16. あがらしゃれ
17. 庄内馬方節
18. たたら踏み唄
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