潮の香りにつつまれた街に、どこからともなく聞こえてくる江差追分の調べ。時には明るく朗々と、時にはもの哀しく切々といつ果てるとも知れない。それを追うように流れてくる尺八の音もまた、どんな言葉にもまさって人間の情を告げるように。およそ二百年の昔、蝦夷地通いの船頭や舟子にとって、はるか日本海を渡ってきた越後追分が江差の港に着き、さらにケンリョウ節が加わり、やがて江差追分が誕生した。
潮の香りにつつまれた街に、どこからともなく聞こえてくる江差追分の調べ。時には明るく朗々と、時にはもの哀しく切々といつ果てるとも知れない。それを追うように流れてくる尺八の音もまた、どんな言葉にもまさって人間の情を告げるように。およそ二百年の昔、蝦夷地通いの船頭や舟子にとって、はるか日本海を渡ってきた越後追分が江差の港に着き、さらにケンリョウ節が加わり、やがて江差追分が誕生した。