民謡を聴くことと民謡を唄うことは表裏一体です。よく唄うためによく聴くことを第一とし、よく聴くためには心でよく唄うようにならねばなりません。本当の良い唄い手は立派な鑑賞家でもあるわけです。本シリーズ「心の故郷 日本の民謡」を鑑賞いただき日本の文化や日本人の心を学び、自己の本質を見出していただければ幸いですと、監修者の藤尾隆造は申しております。このアルバムの中から1つ藤尾隆造の解説で紹介します。
秩父音頭:秩父音頭として出来上がったのは昭和二十二年のことである。以前は皆野町付近で歌われていた盆踊り唄で、昭和五年に明治神宮遷座祭に奉納する郷土芸能の一つにこの唄が選ばれ、「秩父豊年踊り」と言う名が与えられた。その後「秩父音頭」と改称し、県下小中学校の集団体技に採用された。この唄の源流は群馬県新田郡木崎に伝わる「木崎節」ではないかといわれる。木崎節は越後から来た女郎衆によって木崎に伝えられ、木崎宿の男達が渡し舟で利根川を渡って深谷まで通ったと聞くから、唄が各地を流浪するものだと考えさせられる。
このアルバムはAppleMusicでも聴くことができます。
(広告) 民謡が語る旅はこちらから!