この「心の故郷 日本の民謡シリーズ」は故藤尾隆造氏が監修したものです。「民謡は民族生活の潜在意識によりにじみ出た生活そのものの声である。すなわち、1.詩と音楽の自由形である。2. 時代性と民族性に根ざした郷土性。3. 表現法に特定の規律、制約がない。4.旋律と言葉が不離一体である。5. 作者と歌い手が直ちに同化しやい。」・・・等々。そこには聞き手、歌い手の仕切りがなく、庶民的交流があります。本作品に収められている曲の1つを紹介します。
九連環: 1570年の開港以来、長崎には外国文化が押し寄せた。中でも中国文化は市民に浸透し音楽の分野では明清楽が伝えられた。「九連環」は明清楽の代表曲として有名になった。九連環とは九つの環でできた「知恵の輪」のことだ。意味難解な唄だが、女性が恋人をほめちぎる気持ちを中国風の歌詞で表している。これに合わせて踊る「看々踊り」は後の文化、文政(1804~1830)の頃、江戸や大坂で大流行した。江戸では町奉行が禁止令を出すまでの騒ぎになったとのことである。
収録曲
1. 長崎さわぎ
2. 平戸節
3. 高島節
4. 岳の新太郎さん
5. 瀬戸の子守唄
6. 岐宿の子守唄
7. 大盃
8. 春雨
9. 九連環
10. 法界節
11. 長崎の七不思議
12. 朝がお
このアルバムはApple Musicでも聴くことができます。
(広告) 民謡が語る旅はこちらから!