「旅の歌」はヴォーン・ウィリアムズが1901年から1904年にかけて作曲された歌曲集です。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの詩集に題材を得たこの作品は、『旅行者の歌曲集』として、典型的な英国のシーンを彷彿とさせてくれる。この歌曲集で描かれる旅人と世界は、シューベルトの『美しき水車小屋の娘』のように素朴でもないし、シューベルトの『冬の旅』やマーラーの『さすらう若者の歌』のように破滅的な情動を表すということでもない。スティーヴンソンの詩と、ヴォーン・ウィリアムズの曲によって形づくられた世界を、旅人は疲れた身体を引きずりながらも毅然として巡っていくのだ。演奏はAnthony Rolfe JohnsonとDavid Willson。
収録されているのは以下の9曲。
・放浪者
・美しい人よ目覚めよ
・道端の火
・青春と恋
・夢の中で
・無限に輝く空
・私はいずこにさすらうか
・言葉の響きは明るい
・坂を上り、坂を下りた