このお話の体験者は二十代前半の一人暮らしの女性。
彼女が中学生の時分止むを得ず、母と二人で古いアパートに引っ越しをする。地域ではちょっと噂になっていた心霊スポットまがいのアパートで一階の真ん中の部屋は8畳の洋間と6畳の和室の二部屋。寝室代わりの和室の曇りガラスの窓の向こうは砂利敷きの狭い駐車スペース。夜中になると上の部屋の住人が車で帰ってきて、音とテールランプの灯で起こされ、寝付けない夜を幾度も過ごすことになる。そして数年後、彼女がアルバイトに出るようになったとある日の深夜、信じられない出来事が母と娘に襲い掛かる。
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