「欄間から覗く顔」(26分) 現在四十九歳のちぃさんは大阪在住の女性。彼女の両親は、彼女がまだ十六歳だった高校時代にお父さんが失踪する形で離婚している。 とても優しい父親だったがギャンブルが好きで金銭関係にだらしなくそれがもとだったのでしょう。ほどなく居場所がわかり、 しばらくちぃさん含め子供たちとは交流があったものの、再び行方をくらましてしまう。数年後、お父さんは家族でよく出かけた思い出の公園の松の木で首を括って自殺してしまったそうだ。 葬儀も済んでしばらくちぃさんは不思議な夢を見た。見知らぬ和室ではたと気づくと欄間から亡くなったはずの父親がジッと見下ろしているのだ。