納戸の歴史は古く、平安まで遡る。押入れでも居室でもない、微妙な狭間の空間。ヒロシさんは子供の頃、悪戯が過ぎたり親の言うことに反抗が過ぎると、頻繁に廊下の奥にある納戸に入れられた。 このお仕置きが覿面に苦手だった。扉が閉められてしまうと漆黒の闇。闇には何かが潜んでいそうで…。それはある日前触れもなく現実になった。悪さが過ぎて、納戸に閉じ込められて暫く泣き叫んでいた。泣きつかれおとなしくなったその時、狭いその空間に自分では無い誰かの気配をハッキリと感じ取ったのだ。
納戸の歴史は古く、平安まで遡る。押入れでも居室でもない、微妙な狭間の空間。ヒロシさんは子供の頃、悪戯が過ぎたり親の言うことに反抗が過ぎると、頻繁に廊下の奥にある納戸に入れられた。 このお仕置きが覿面に苦手だった。扉が閉められてしまうと漆黒の闇。闇には何かが潜んでいそうで…。それはある日前触れもなく現実になった。悪さが過ぎて、納戸に閉じ込められて暫く泣き叫んでいた。泣きつかれおとなしくなったその時、狭いその空間に自分では無い誰かの気配をハッキリと感じ取ったのだ。