事故物件という言葉がまだ浸透していない頃、ユウキさんは隣室から聞こえてくる深夜の騒音に悩まされていた。何とも形容しがたい音だったのは目にしていないからだったかもしれない。 音だけであるからなおさら想像は逞しく刺激され不快感は募った。トラブルを避けるため管理会社に中継してもらう形でクレームを入れるが、管理会社は 「注意を致します」というばかりで事態に変化は見られなかった。 日増しに大きくなる騒音に限界を感じていた頃、偶然隣室の住人と顔を合わせてしまうのだが…。
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