霊感の強いナオちゃんが、かつてドライブデートをしていた時のこと。国道36号線を走っていた時、不意に彼氏が「ちょっと下を向いておけ」と言い出した。彼氏もナオちゃん以上に霊感の強い人で、その口ぶりと唐突な言葉でナオちゃんはすぐ、見てはいけないものがいるんだと察知して言われた通り下を向いた。けれど、すぐにナオちゃんは好奇心に駆られて、こっそり顔を上げてしまった。
フロントガラスの向こうには何も見えない。 が、ルームミラーに目線を移した時、後方の中央分離帯に佇む学生服姿の少年が目に入った。そして少年は、あろうことか猛スピードで走ってくる後続車の前にフラリと飛び出したのだ。
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