谷川岳などで著名な群馬県M市在住の美容師Sさんの体験談。
11月半ば、彼がまだ高校生のだった頃のある夕方、空手部で汗を流した後、道場を出てから道着をロッカーに置きっぱなしにしてきてしまったことに気付いたSさんは、一人道場に引き返すこととなった。道場は学校敷地内、グラウンドの端にある特設のプレハブだった。朧月夜の人気のないグラウンドを通り、道着を確保し、いざ道場を出ようとした時、風もないのに重い鉄製の出入り口の扉が、ひとりでに閉まり、あろうことか施錠されてしまう。道場に閉じ込められたSさんが外の様子を伺うために、高い窓越しに見たものとは。
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