金縛りには二つのパターンが存在するという。肉体疲労と脳の覚醒からくる身体の不動。もう一つは…。
城谷がまだ十歳のころ、寝室代わりの仏間に家族四人で布団を延べて寝ていたある夜中、妙な感覚に襲われ目が覚めた。両目を開いてみると嫌な怖気が全身に広がり、指先一つ動かせないことに気が付いた。そして自分の布団の足元からゆっくりと何かが這い上がってくるのを感じる。そして遂に這い上がってきたものが胸元に押し迫った時、とうとうそれを見てしまうことになる…。
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